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2016-06-14

ハンガリー紀行 Vol.2

飛行機は結局1時間近く遅れて飛んだ。実際の飛行時間はたった45分。空港に着くとタクシーに乗り、オペラの近くのホテルへ向かった。そこで純子さんと待ち合わせしていたのだ。
着くと彼女はもうそこにいた。わたしたちは荷物を預けるとすぐに外へ出た。純子さんはもう先にこちらへ来ていて、すっかりこの土地に慣れていたので、わたしは彼女についていった。少し離れたところに、ちょっとゆったりした公園があって、その近くのレストランがおすすめらしいんです、と彼女は言った。オペラの駅で、チケットを買い、私たちは地下鉄に乗り込んだ。小さな車両。ロンドンの地下鉄を思い出す。お互い旅がどうだったかを話していたら、4つめだったろうか、あっという間に目的地に着いた。
降りて地上に出ると、開けた公園になっていた。ウイーンと似ている。植物も建物も。そこここにトネリコの花が香り、壁面に人の顔の彫刻をつけた建物が並ぶ。おめあてのレストランはすぐに見つかり、私たちは中に入った。雨上がりのブダペストは少しひんやりとしていたが、私たちは中庭を選んだ。ブルーのストライプのテーブルクロス、小綺麗で落ち着いたレストランだった。
予約はないけど食事できますか、とボーイに聞くと、丸顔のボーイはニコニコしてパラソルの下のテーブルを指差し、今あなたのために僕がここを予約しました、と言った。私たちは彼に勧められるままに、定食を選択した。グラーシュとパプリカチキン、デザートのセット。どれも美味しかったが、食べられる量の倍盛だった。
食事が終わると、すぐ近くのサーカスを見に行った。純子さんはわたしの健康を気遣ってくれたのだと思う。彼女はもう見たといっていたから。サーカスは毎日3時から開催されるのだ。会場はほぼ満席だった。そして子供達ばかりだった。生のオーケストラが出入り口の上で演奏している。噴水と光のショーの中、次から次へと芸が繰り出されていった。どれも美しく洗練されていた。子供達は大興奮で、歓声を上げ、口笛を吹いて、わたしは耳を覆わねばならないほどだった。1時間近くのショーの後、15分ほどの休憩があった。私たちは少し外に出て一息ついた。小雨が降り出したので、隣のカフェでビターレモンを頼んだ。店の客が嬉しそうに話しかけてくる。純子さんが、さすが、先生といると男の人が声かけてくる、と笑った。相手にせずに座ると、see you,girlsとその男性は温泉の方へと歩いて行った。サーカスの前に有名な温泉があるのだ。girlsだって、と純子さんがまた笑った。
サーカスから後半が開始するというらしきアナウンスが流れて、私たちは席に戻った。後半も素晴らしかった。芸人たちの何人かはバイオリンも演奏した。さすが、ハンガリー!奇術もあり、ダンスもあった。綱渡りも動物の芸も。おうむが会場を飛び回ると、子供達は大喜びだった。こんなに興奮したら、きっと今晩は大変だろうな、と、わたしは息子が小さい時を思い出した。ここの子供達には、サーカスはとても身近なものなんだろう。
サーカスが終わると、公園をぐるっと回って、温泉の入り口を見学した。美しい建物。この建物がまるまる温泉になっているのだ。高い丸天井は湯浴みをモチーフにした絵で飾られていた。今日は無理だけど、ゆっくり入りに来たいな、と思った。私たちはまた地下鉄に乗り、ホテルに戻った。純子さんは一足先に日本へ帰る。ブダペスト最後の夜なのに、先生、どうぞもうお休みください、と、純子さんはニコニコした。一緒に夕食もしたかったけれど、わたしはおとなしく部屋で休んだ。もう一組の友人たちもこのホテルに泊まっているはずだった。
風邪を治さなければ。7時を過ぎていたけれど、外はまだ明るくて、ベッドに入ってわたしは純子さんともっと遊べなかったことを残念に思いながらそれを眺めていた。

ハンガリー2-1
温泉の入り口、天井

ハンガリー2-2
サーカス

ハンガリー2-3

ハンガリー2-4

ハンガリー2-5
パプリカチキン

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